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全部タコ の否定

 つい先日,知人のMさんとタコパをした.それは計画的なものでなく,大量にあるキャベツを消費したかったからである.故に,タコがないので,中にはウインナーやら,キムチチーズやらを入れた.とても美味しかった......
 
 そのとき,知人のMさんがとある発言をした.
\[\mathrm{全部タコじゃないよね}\]
これは,たこ焼きの中身が全部タコじゃないということなのだが,この日本語に私は少し違和感を覚えた.
その違和感を,数理論理学的に見ていこう.(タコパでこの話に発展するのがおかしいことは重々承知)

たこ焼きを\(T\),その中身を\(T_{in}\)とする.
まず,全てのたこ焼きについて,その中身が全てタコの場合.
\[\forall T(T_{in}=\mathrm{たこ})\tag{1}\]
である.
全称命題\(\forall x(P(x))\)の否定は,存在命題\( \neg\big(\forall x(P(x))\big)\Leftrightarrow\exists x(\neg P(x))\)であるので,命題(1)の否定は,以下のようになる.
\[
\begin{align}
& \neg\big(\forall T(T_{in}=\mathrm{たこ})\big)\\
\Leftrightarrow & \exists T(T_{in}\neq\mathrm{たこ})\big)\\
\Leftrightarrow & \mathrm{1つ以上,中身がタコでないたこ焼きが存在する}
\end{align}
\]
つまり,「全部タコじゃない」は「全部,タコじゃない」つまり,「全部のたこ焼きはタコじゃない」となる.今の現状は,全てのタコ焼きの中身がタコではないので,
\[\forall T(T_{in}\neq \mathrm{たこ})\]
という命題が妥当だろう.
これを日本語で言い換えると,「全部タコじゃない」となってもおかしくないので,日本語は厄介であると感じた.私も「全てのたこ焼きの中身がタコじゃない」とすらすら言えず,「全部タコじゃない」と言いそう.....

今回の違和感の原因は,日本語が同じ言い方でも状況によって意味が変わるかもしれないということだった.

ちなみに,この話を家庭教師中に与太話としてすると,生徒から「たこ焼き中にする話ではないですね.」と言われたので,「ごもっとも」と思った.